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『競馬の終わり』を読みました!

<今年読んだ本 31>
『競馬の終わり』杉山俊彦/徳間書店
競馬をテーマにしたSF小説です!第10回日本SF新人賞受賞作だそうです!


西暦2111年に日本がロシアに占領された世界が舞台です。この世界には、「腹脳」と呼ばれる大きさ1平方センチメートルの人工頭脳が普及しています。腹脳を胃の横に埋め込んで脳と接続し、人間の思考能力をアップさせるという、一種のサイボーグ技術です。
そんな時代に、ロシア領の日本で開催される競馬で、大きな改革が行われることになりました!サラブレッドのサイボーグ化です!サラブレッドの足を人工の機械の足に置き換えて、競馬をよりスピード化しようという試みです。
で、サラブレッドのサイボーグ化が実施される直前の、「生身の馬」が走る最後のダービーに挑む男達の姿を描いているのがこの小説です。主人公はサラブレッドを生産する牧場の牧場主です。他にもロシアの政府高官とか、有力馬主とか、調教師とか、騎手とか、競馬にまつわる様々な人々の思惑がうずめきます。

競馬の終わり競馬の終わり

徳間書店 2009-10-20
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感想:おもしろかったです!わたくしは競馬に関する知識がほとんどありませんが、一頭のサラブレッドを生産するには、どえらい労力と計算と、血統の重みがかかっているんだということを、ひしひしと感じました。競馬ってすごいスポーツなんですねーっ。
ダービーに向けて、悪魔的な強さを誇る2頭の有力馬が出てきて、それぞれの馬の血統や、馬主の思惑には、すごい執念あって、そしてついに行われたダービーの結果は!!というところが面白かったです!後半にかけて人間ドラマやらなにやらで大盛りあがりでした。


あとがきが軽かった。
本文の最後のページの終わり方が好きでした。色々なドラマがあった挙句に最後はそうなるのかーっ!という感じでした。


あと、本筋とは直接関係なさそうなSF的なギャグが沢山入っていました!お尻から「幸せ解毒液」を吸引するリラクゼーション具の(使用料金は5分間2万円)とか。
競馬的なギャグも多かったですが、私の競馬知識が少なすぎるため、面白さがいまいち理解しきれなくて残念!出てくるGIレースの名前が「岡山きびだんごステークス(岡山 ダート 800m)」だったりして、これは現実では有り得ないレースだというギャグだと思うのですが、どのていど有り得ないことなのかがよくわかりません。ひゃー。