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『落語家はなぜ噺を忘れないのか』を読みました!

<今年読んだ本 68>
『落語家はなぜ噺を忘れないのか』柳家花緑角川SSC新書
五代目小さんの孫、柳家花緑師匠の著書です!
タイトルだけ見ると記憶術の本のようですが、読んでみたら中身はがっつり芸論の話でした!落語のネタを、どうやって面白い噺に作りこんでいくかという手法が書かれています。読んでよかった。

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感想:こりゃー勉強になりました!読んでよかった。
まずタイトルにもなっている「噺の覚え方」ですが、花緑師匠の場合は、修行時代、録音テープをノートに一言一句もらさず書き起こして覚えたそうです。それも、語尾が『どうしたんだ』なのか『どうしたんでぃ』なのかというレベルまで本当に1文字単位で細かく正確に書き起こしたんだそうです。なるほど。私もそうしよう。ただ、現在では、花緑師匠自信のアイデアを入れたり、自分の言葉に直しながら台本に書き起こしているそうです。でも台本をしっかり作ることは変わらないんですね。あと、立川談春師匠の場合は、耳で一回聞いただけで、噺を完璧に覚えてしまうんですって。それは天才だ。
巻末には花緑師匠の『笠碁』の台本が全文掲載されています。面白いよ。



お笑い論としては、「間」の大切さについて書かれている部分がためになりました。セリフを畳み掛けるよりも、ひと呼吸置いたほうが、登場人物の感情が伝わる場合もある。逆に、突っ込みのセリフなど、間を入れないほうが面白い場合は、余分な言葉を省く。例えば突っ込みで「おいおいそれは○○じゃないか」という台詞があったとしたら、“おいおいそれは”という言葉はいらない。ボケたら即座に「○○じゃないか」と突っ込んだほうが面白い。と書いてありました。なるほどー。これは必ずしも100%その通りではないとは思いますが、落語に限らず全てのお笑いに共通する考え方ですよね。この本には、こういう具体的なネタの練りこみ方が、けっこういろいろ書いてありますよ。みんなも読めたら読もう。