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梅若猶彦『能楽への招待』を読みました!能楽の入門書ですがけっこう難しかった

<今年読んだ本 25>
『能楽への招待』梅若猶彦/岩波新書
能楽の入門書です。著者は能楽の観世流シテ方の方で、ロンドンに留学して演劇学の学位をとり、現在は静岡文化芸術大学の教授を務めておられるというアカデミックなお人です!

感想:アカデミックな香り漂う文章で、入門書と言うには難しかったが、能楽の奥深さの一端は知れた気がする!!
「もしも能楽師がコーヒーを飲む仕草を演じるとしたら、どんなことを考えながら演じるか?」という想定で、能楽師の心の内面をシミュレーションする2ページぐらいの文章の密度が濃かったです。能楽師は少ない動きにそんな心理描写を込めているのかと驚きました。
能楽師の脳の動きを計測したら、能楽師が精神集中して特別な境地に入るとき、左脳の前頭葉の血流が極端に減って、思考や判断を司る部位の働きが抑制されているそうです。そして心拍数を測定したら、動きの少ない能の最中にも、心拍数は全力疾走してるとき並みに急上昇してるんだそうです。能楽師はものすごい境地で演じてるんですね。能のDVDとか見るときは心して見よう。
あとがきの一番最後のところに「私の妻マドレーヌにこの本を捧げます」みたいなことが書いてありました。能楽師の奥さんがマドレーヌ!なんかすごい