<今年読んだ本 65>
『太閤の能楽師』奥山景布子/中央公論新社
豊臣秀吉に仕えた実在の能楽師、暮松新九郎を主人公とする歴史小説です!秀吉が能楽に熱中するその陰では色々陰謀が渦巻いていたという感じのサスペンスフルな物語です。
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感想:すごく面白かったです!
戦国時代は「能」が、庶民が熱狂する娯楽であり、武将の素養だったんですね。で、また、作中に出てくる能の演目が、戦国時代の時点で既に古典的名作として伝えられているものであり、しかもそれが全部そのまま現代まで残ってるというのも凄いです。能すげえ。
数多くの登場人物が出てきますが、ほとんどの人のセリフが現代の標準語で書かれている中、唯一、秀吉の正室の寧様だけが、コテコテの名古屋弁でしゃべっています。まるで『のうりん』の農(みのり)みたいだなーと思いました。
しかも、その名古屋弁が「ちょうだゃあせ」など、発音の表記に細部までこだわっている感じです!で、著者紹介を見たら著者は愛知県出身の方でした。さすが!