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『犬なら普通のこと』を読みました!

<今年読んだ本 3>
『犬なら普通のこと』矢作俊彦司城志朗早川書房
沖縄のヤクザの世界を描いた小説です!真夏の沖縄を舞台に、主人公のヤクザのヨシミという男が、組の金を強奪しようと計画し、さてどうなるかという話でした。
まず、『犬なら普通のこと』というタイトルが最高に素晴らしいですよね!色んな妄想を書き立てられる題名です。

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感想:面白かったです!沖縄らしく、米軍と警察と組の者が癒着したり敵対したり色々あって、最初から最後まで緊迫感があって良かったのではないでしょうか。ヨシミの妻の「森(モリ)」という女性や、ヨシミの手下の彬に絡んでくる早枝子という女性の、男と女の人間模様も、味わい深かったです。そして終盤の銃撃戦の場面がすごかったです。人の死を淡々と描いていて、ドライな格好良さがあると思いました。
あと沖縄そばの描写が美味しそうです!沖縄の小汚いそば屋さんに行ってソーキそばを食べたいです。


しかしちょっと残念だったのは、『犬なら普通のこと』という素晴らしいタイトルと具体的に結びつく場面が無いことです!実際に出てきた“犬なら普通”の行動は「立ち小便」ぐらいだったので、ちょっと期待はずれでした。若干タイトル負けしちゃっている感じです。どうせなら、「金のために、裸で首輪に繋がれて地面に這いつくばる」「去勢される」「強制的に残飯を喰わされる」などのような、えげつない『犬なら普通のこと』を出してほしかったです。裏表紙に書かれたキャプションによると「ドブを這い回る犬のような人生」を意味するタイトルらしいですけどね。